活動内容 廃木材リサイクルとCCA処理木材 クロム・銅・ヒ素化合物系木材防腐剤(CCA)処理木材

CCA防腐処理木材の使用規制と利用基準策定の動き 保存処理木材のインパクト国際シンポジウム開催
廃木材リサイクル研究会の平成15年度活動報告 廃木材リサイクル研究会の平成16年度活動報告
廃木材リサイクル研究会の平成17年度活動 山形大学 廃木材の高度利用研究で大竹哲也技官が博士号取得

  廃木材リサイクル研究会は、東北経済産業局の産業クラスターの研究会として活動しています。

1. 構成
民間事業者等 46法人及び団体
   
2. 事業内容
(1) 事業化に向けた諸課題についての調査研究、技術開発、または事業実施に向けた事業
(2) 会員相互の情報交換と技術交流・連携に関する事業
(3) 資料収集とその提供に関する事業

3. 実施体制と対象範囲

(1) 実施体制
会 長: 成澤 郁夫 (山形大学名誉教授)
副会長: 宍戸 昌広 (山形大学工学部助教授)
副会長: 山崎 鉄弥 (ナラサキ産業株式会社専務取締役)
理事長: 安藤 則男 (ハイウッド株式会社代表取締役)
理 事: 小林 正男 (株式会社アールテック専務取締役)
理 事: 安島  稔 (株式会社ヤスジマ代表取締役)
理 事: 鈴木  昇 (鈴木工業株式会社代表取締役)
事務局: 庄司 孝一 (山形県企業振興公社)
2) 対象範囲

<廃木材に関連する廃棄物処理・資源リサイクル関連技術>
  • 廃木材資源リサイクル、エネルギー利用に関する諸問題
  • 分別解体、廃木材分別処理技術の普及
  • 廃木材リサイクルによる地域循環型産業創出に係る支援連携
  • 廃木材に関する調査研究(産業廃棄物の有効利用のため実体調査)
<廃木材リサイクルプロセス技術>
  • 廃棄物処理・資源リサイクル技術及び装置の研究開発(CCA木材判別技術)
  • 木材等有害木材の無害化技術の研究開発 (公害防止・環境保全装置)
  • 廃木材未利用エネルギーや資源利用を図るための製造方法の研究開発
  • 有害物質の大気・水系への排出物等の低減等を図るための製造方法の研究開発

 
  年間4700m3発生する建設系廃木材のリサイクルは、2000年5月「建設資材再資源化法」(建設リサイクル法)が廃木材の再利用が義務付けられました。しかし、建築解体現場等から発生する廃木材にはCCA処理木材が含まれており、資源利用を難しくしています。建設リサイクル法でも分別解体による再資源化の推進と同時に、発生材から有害物質等の発生を抑制する事項としてCCA処理木材の資源利用を制限しています。

 
解体対象になる家屋は,ほとんどが築30〜40年程度のもので1960年台以降のものとなります。この当時に建設された家屋にはCCA薬剤によって処理された木材が使用されています。CCA木材が昭和40年頃から現在まで年間30万〜40万立方も使われているのです。

この薬剤は,クロム(Cr),銅(Cu),ヒ素(As) を主成分とする木材の防腐剤です。木材を高圧の圧力缶に入れ,CCA薬液を高温高圧で含浸させます。この薬液の防腐作用機構の詳細は不明ですが,木材に含浸したCCA薬液は,木材の主成分であるセルロースやリグニンなど生分解を受けるような化学構造を架橋などによるものです。そのためバクテリアなどの生分解反応はほとんど起こらなくなります。こうしたCCA薬剤処理を施した木材を床下材などに使うことにより,防腐機能を備えているヒノキ材などの高価な木材を使う必要がなくなり,このCCA薬剤処理方法は爆発的に広まりました。


しかし,いくら防腐効果が高いとはいっても家屋はいつか解体される運命にあります。日本の木造住宅は30年程度で建て替えられてしまいます。
解体されて集められた CCA 処理材は、燃やすことも埋め立てに使うこともできないやっかいな究極の産業廃棄物として再び我々の前に姿を現すことになります。

廃棄物研究財団の行ったCCA処理木の化学物質に関する調査によると、CCA処理木材の重金属含有量は(表1)の通りと報告されています。さらに、CCA処理木材を埋め立て処分した場合の重金属溶出率は、銅、クロム、ヒ素とも含有量の5〜10%程度と確認されました。この濃度は法律で規定された基準(表2 環境庁告示13号法における判定基準)を上回る濃度となります。





 

クロム・銅・ヒ素化合物系木材防腐剤(CCA)処理木材)
Wood Preservatives of Chrome-Correr-Arsenic Type

平成14年1月25日
山形大学工学部 宍戸研究室


CCA処理木材防腐剤
CCA防腐剤は、クロム・銅・ヒ素の無機化合物でそれぞれの混合配分によって1号、2号、3号があります。この場合の有効性分とはクロム化合物(Cr03として)、銅化合物(Cu0として)、ヒ素化合物(As205として)、一号は20%以上でクロムの化合物が多く、ヒ素が少ない配合物で、クロム、銅の塩類を用いて製造する塩型と、酸化物を用いて製造する酸化物型がある。1号は塩型で防腐処理工場で自家配合して使用されていた。2号、3号は酸化物型で配号薬剤として使用され2号は65%以上、3号は50%以上で、いずれの配合のものも水溶液溶解分1%以下で使用することになっている。

このCCA防腐剤は、昭和38年から使用され昭和45年頃から年間10万トン弱使用されており、平成4年をピークに最近は減少傾向にある。CCA防腐剤は、電柱や枕木に使われてきたクレオソート油と違い、主に住宅用の土台や建築用途に約30万m3/年使われてきた。特に昭和60年頃からは35万m3/年と使用量が増えてきたが、その後毒性が強いため低毒性のDDACやアルキル系防腐剤が使われるようになってきている。しかし、最近は北米から加工した木材が直接輸入されるようになり屋外や公園等で使う木材などがCCA処理木材で、約35万m
3/年使われ増える傾向にある。また、CCA防腐剤は、防腐木材の他に防蟻剤としても西日本を中心に使われており、その量は不明。
(右上へつづく)


 
CCA防腐剤は、木材に注入処理されたあと木材の中で水に溶け難い化合物を生成し、木材に定着すると言われ、その反応式はCCA-1号で
2CuSO4+4K2Cr2O7+5As2O5・2H2O→8CrAsO4+4CuHAsO4+2K2SO4+4KOH+7H2O+12O↑

しかし、この反応をは注入後の温度や樹種、乾燥の早さや吸収量の関係から定着時間を3週間とされてきたが、工場や時間管理によって変化するためその挙動ははっきりしていない。

これまで、CCA処理木材の安全対策は、薬剤の安全性は高いが、木材表面に残るものは危険であると言うような曖昧な表現であったが、前述の通り建設リサイクル法では、焼却処分による排出ガスと焼却灰ダストからの排水への影響等が問題視されるようになってきた。

その後、日本木材防腐工業会がCCA処理木材の廃木材の処分とリサイクルを内部的に検討した結果、焼却灰に有害な6価クロム化合物や可溶性のヒ素化合物を含む可能性があることか指摘されたが公表されていない。




CCAの含有量
その後、廃棄物研究財団から廃木材の重金属含有量と排ガス中の成分値が発表されたが、CCA処理木材の環境への影響を報告した研究事例はまだ少ない。

廃棄物研究財団の行なった廃木材の化学物質に関する調査によると、CCA処理木材の重金属含有量を測定した結果は表1の通りで、各重金属類の廃木材1トン当たりの平均含有量はクロム1053mg/kg、銅425mg/kg、ヒ素460mg/kg、である。

CCAの他に日本工業規格JIS K 1570に登録されている木材防腐剤の種類としては、水溶性防腐剤としてクロム・銅・ヒ素系化合物(CCA)、フェーノール類・無機ふっ化物系化合物(FCAP)、アルキルアンモニウム系化合物(AAC)、クロム・銅・亜鉛系化合物(CFKZ)、銅・アルキルアンモニウム系化合物(ACQ)、銅・ほう素・アゾール系化合物(CUAZ)、ほう素・アルキルアンモニウム系化合物(BAAC)、また、乳化性防腐剤として脂肪酸金属塩系化合物(NCU{ナフテン酸銅化合物}・NZN{ナフテン酸亜鉛化合物}・VZN{バーサチック酸亜鉛化合物})、アゾール系化合物(AZP)、その他油性木材防腐剤としてクレオソート油木材防腐剤がある。
(右上へつづく)

 
やはり、問題なのはCCA防腐剤(クロム・銅・ヒ素系化合物系木材防腐剤)を注入した防腐処理木材(以下「CCA処理木材」という。)で、有毒な重金属化合物を含浸・塗布された防腐処理木材の代表で、過去の使用量が圧倒的に多く廃木材のリサイクルをすすめる上で大きな障害となっている。

CCA処理木材は、産業廃棄物処理場等において焼却減容化を行う場合にヒ素を含む有毒ガスが発生するほか、焼却灰に有害物である六価クロム及びヒ素が含まれることになる。また、炭化処理しても木炭製品に高濃度の銅、クロム及びヒ素が含まれる。さらに、埋め立て地からはヒ素やクロム、銅が流出するなど、環境問題を引き起こす恐れがある。





CCA溶出試験
含有重金属の挙動については、木材学会誌、Vol.46、No.6、(2000p587−595)に示される様にCCA処理木材の燃焼時における銅、クロム、ヒ素の挙動は、木材に含有するクロムは燃焼温度に依存せず100%に近い残留率で焼却灰に残る。銅、ヒ素は燃焼温度の上昇とともに低下する傾向がみられ40%〜80%の残留率であるが、特に銅、クロム、ヒ素の含有率の高いサンプルでは著しく低下する。このヒ素の残留率の低下は熱的な蒸発によるもので、ヒ素ガスとして大気中に放散されているものと考えられる。また、CCA処理木材を炭化した場合は、銅、クロムの蒸発は生じにくく高濃度で木炭内に残留し、ヒ素が蒸発することが確認された。以上のことから廃木材やCCA処理木材を原料とした木炭を製造する場合には、含有する重金属の対策を行なう必要がある。
(右上へつづく)

 
また、CCA処理木材から溶出試験を行なった結果、クロム6.2〜19.2mg/L、銅3.8〜12.2mg/L、ヒ素2.8〜14.6mg/Lの濃度で溶出が確認された。また、CCA処理木材を埋め立て処分した場合、溶出率としては粉体試料で銅、クロム、ヒ素は含有量の5〜10%程度であるが重金属類が溶出する可能性が確認された。法律で規定された環境庁告示13号法における判定基準表2を上回る濃度で溶出したことから廃木材の埋立て処分に関しても注意が指摘されるところである。




CCAの化学反応
CCA処理木材に注入されるCCA防腐剤は、木材に注入処理されたあと木材の中で水に溶け難い化合物を生成し、有機金属化合物として木材に定着する。その反応式はCCA−1号で以下のようになる。

2CuSO4+4K2Cr2O7+5As2O5・2H2O→8CrAsO4+4CuHAsO4+2K2SO4+4KOH+7H2O+12O↑
しかし、この化学反応は注入後の温度や樹種、乾燥の早さや吸収量の関係から定着時間を3週間とされているが、工場や時間管理によって変化するためその挙動ははっきりしていない。

つまりCCA防腐剤は、木材の成分(セルロース、ヘミセルロース、リグニン、その他)と金属塩の化合物となり、有機化合物が金属を含んでいる化学構造である。これら液体状の有機金属化合物は、一般に多量の重金属を含んでいる場合ほど安定した化合物となる場合が多く、有機金属化合物は毒性が極めて強いことが特長でメチル水銀、有機スズ化合物、CCA防腐剤、ジエチル亜鉛、などに代表される。

その化学構造形態は、以下の3種類に分けられる。

  1. イオン結合化合物:酸、アルコール類の金属塩
  2. 共有結合性化合物:炭素原子と金属がα結合をしている化合物で、有機金属化合物。
  3. 配位結合性化合物:分子または陰イオンが金属に配位したかたちの錯体金属。
(右上へつづく)
 
木材防腐剤として使用されているクロム・銅・ヒ素系化合物(CCA)、フェーノール類・無機ふっ化物系化合物(FCAP)、アルキルアンモニウム系化合物(AAC)、クロム・銅・亜鉛系化合物(CFKZ)、銅・アルキルアンモニウム系化合物(ACQ)、銅・ほう素・アゾール系化合物(CUAZ)、ほう素・アルキルアンモニウム系化合物(BAAC)、脂肪酸金属塩系化合物(NCU{ナフテン酸銅化合物}・NZN{ナフテン酸亜鉛化合物}・VZN{バーサチック酸亜鉛化合物})、アゾール系化合物(AZP)、など水溶性防腐剤は前述したイオン結合、共有結合、配位結合を複雑に組合わせたもので、イオン結合化合物は水に溶けやすく反応性が高く、共有結合・錯体金属は反応が低く安定している。有機金属化合物は共有結合でアルキル基に代表され、錯体金属は2重、3重結合の場合が多い。有機金属化合物と錯体金属は、はっきり区別しにくい部分が多い。



CCAの判別方法
CCA防腐剤の簡易な試薬塗布による呈色反応としては、クロムの化合物はクロムにジフェニルカルバジド液を作用させ赤紫色の錯体による呈色反応および原子吸光法によって、銅は銅イオンがジエチルジチオカルバミン酸ナトリウムと反応して生成する黄褐色の錯体を酢酸−n−ブチルで抽出し吸光度を測定する。また、ヒ素は水素化ヒ素として発生させ、ジエチルジチオカルバミン酸銀のクロロホルム溶液に吸収させて、生成する赤紫色の溶液の吸光度を測定する方法等がある。

 

平成17年3月15日、京都市左京区の京大会館で国内外の大学、公的研究機関、企業の研究者約 50人を集め「保存処理木材の環境へのインパクト国際シンポジウム」が京都大学生存圏研究所主催で開催されました。

CCA処理木材等の識別装置のデモンストレーション
ハンドヘルド蛍光X線分析計/日本電子株式会社(Innov-X Systems USA製)とウッドスキャンTD-1000 反射式近赤外線CCA判別装置/ハイウッド株式会社の装置がCCA処理木材等の識別装置としてデモンストレーションされた。

講演内容の解説
@CCA処理木材中の薬剤成分の存在
 京都大学生存圏研究所 畑 俊充
 熱分解中の木炭残渣内のCCAエレメントについて、電子顕微鏡を用いて観察および分析を行った結果について発表された。
 畑先生の研究グループはCCA木材をより安全に再利用、もしくは廃棄するために、木炭内への砒素の閉じ込めを可能とする熱分解について研究してきたが、100%閉じ込められているか疑問であるため、熱分解時の砒素の挙動について観察、検討を行ったとの報告があった。その結果、熱分解残渣中に見られる粒子が10nm〜50nmの球状で、ほとんどの粒子がCr2As4O12からできていることが明らかになったとのことであった。
 加熱炉中ではCCA木材から析出するナノサイズの砒素化合物や重金属の酸化物が木炭残渣中に残るだけでなく、煙中にも多種類の砒素化合物が含まれるため、ナノサイズの粒子をミクロンサイズの空隙をもつバグフィルターで除くことは不可能で、加熱炉中にも重金属や砒素を含む結晶化物が拡散されるので充分な注意が必要であり、焼却処理における危険性について注意する必要性を述べられた。

A保存処理木材に由来するホウ素の環境内挙動
 京都大学生存圏研究所 中山友栄 , 吉村 剛
 ホウ素は人間に対しては高い安全性を有するが、処理剤から容易に溶脱するため、廃棄時には環境への物質の流出が懸念されていることから、ホウ素の環境内挙動について発表された。
 ホウ素の安定同位体比によって処理の有無を確認する方法および調査結果について講演されたが、海外から輸入される(主に中国、東南アジア等)ほとんどの家具、木製品においてほぼ全ての材で天然のホウ素安定同位体比より大きな値が認められ、ホウ素含有防腐剤の使用が示唆されたとのことであった。ホウ素を含む防腐剤は、数多くあり、その中にはCCBなど重金属も含むものもあり注意を必要とする報告がされた。

BインドにおけるCCA処理木材の使用実態
 京都大学生存圏研究所 Tarakanada Bollineni
木材は、鋼鉄、アルミ、繊維補強プラスチックなどの材料に比べ安価および加工のしやすさからインドにおいて広く使用されている。しかし、インドのような熱帯(特に水生環境)において、木材は種々の自然界生物による被害を受け、その結果、大きな財政的損害が発生している。これとは別に、インド政府は天然森林からの切り出しを厳しく規制しており、使用される材木は植林された木材と輸入木材(マレーシア、オーストラリア、ニージーランド、ミャンマー、アフリカ諸国等から)が主となっている。しかし、植林木は早く成長させるため、自然界生物による被害を受けやすく、耐久性が劣っており、約10種の化学防腐剤が使われている。その量は、年間2000t以上になっている。特に、CCAは効果が長く、比較的安いため、広く使われているとの報告があった。
船舶への利用、ゴムの木、竹、ベニア板、パーチクルボード等への化学防腐剤使用の実例を含め、実情を紹介された。
現在、砒素系の防腐剤の利用による環境問題を解決するため、多くの研究組織が非砒素系防腐剤の研究しており、種々の防腐剤が開発され、実験されている。
環境面に安全な防腐剤の開発は、木材寿命を延ばすことにより、森林資源の減少を抑制することができ、それが生態系のバランスに寄与すると述べておられた。
最後に、ガンジス川水系等での自然界からの砒素汚染による中毒による人体被害の深刻な状況が写真にて説明された。

C使用中および再利用されたCCA処理木材にかかわる非職業的な砒素暴露
 マイアミ大学 柴田知幸
砒素とクロムは人の発ガン物質として知られており、特に砒素は毒性が高いにも関わらず、CCAは木製の遊具、デッキ、囲い等に最も広く使われた保存剤であるため、木材との接触による非職業的な砒素暴露および砒素に汚染された地下水を飲む危険性について指摘され研究報告がされた。
例として、子供がCCA処理された屋外遊具で遊んだ場合における経皮、経口による暴露の状況、降雨によるCCA処理デッキや根被い等よりの砒素の流出量と地下水への影響をフロリダにおける状況を例に報告された。地下水位が比較的高く土壌も砂質分の多いフロリダでは非常に深刻な問題であり、非常に高いレベルでの研究がなされており聞いていても危機感を感じた。

(右上に続く)
D金属系保存剤を含んだ廃材の処理および管理選択
 マイアミ大学 Helena Solo-Gabriele
アメリカの廃木材の処理について講演された。
アメリカはCCAの使用を2004年1月に禁止したが、日本の禁止から8年経っており2020年前後に、排出のピークになる。
CCAの処理の方法としては、「除去と制限」、「希薄化」の二つの方法(管理)がある。
「希薄化」とは、アメリカの場合、根被い(マルチング)・埋め立て・焼却である。根被いについては、チップ化したもので公園等の樹木の周りの地表を被うことであるが、重金属防腐剤を分別していない状態で使用していたため、フロリダ地区の地下水に深刻な影響が出ているとの報告がされた。埋め立てについても、木材からの溶出等の危険性が考えられる。焼却については、木材中に含まれる3価のクロムが6価に、5価の砒素が3価にと共に毒性の強い物質に変化するため、灰の処理・大気中への有害物質の放出の危険性を報告された。CCA含有木材の再利用についても方法としては考えられるが、結局問題の先送りになるとの考えで、否定的な報告であった。アメリカの場合、CCAの使用濃度が、海岸部などの場合日本に比べ10倍以上と非常に高いため危険性も高いようである。
「除去と制限」とは、確かな規制による木材の流れと重金属の流れを制限することと定義。
廃木材を識別・分離し、有害な金属系保存剤を含んだ廃材は、バクテリア等による処分・化学抽出・電気化学的処理・熱化学的な処理を行うなどの方法により安全に処理する必要がある。
アメリカでは、識別の方法として、工場レベルでレーザーあるいは蛍光X線による識別、フィールド用として携帯用蛍光X線分析計が紹介された。
法制化のレベルも各国によって差があり、ドイツ等は最も厳しく、アメリカ、日本などが最も規制が緩やかとのことであった。
いずれにしても、識別をしつかり行い、安全なものをリサイクル・リユースすることが大切であることを説明していた。

DCCA処理建築木材の排出量推計
 森林総合研究所 物性研究室長 外崎真理雄
CCA廃木材の今後の発生予測を行った結果について報告。
推定の根拠となったデータは防腐工業会のものを使用し、今後の発生予測を行い、2015年をピークにほぼ排出が終わるのに2141年までかかるとの試算をされていた。
また、建築廃材の発生量に比較し、CCA廃木材の発生量は少ないので、高濃度の生物暴露がなければ問題ないとの見解を話された。リユースや下地ボードへの利用も肯定され、焼却についても問題なしとの見解を示された。
 
講演終了後、複数の研究者の先生・企業の方のお話を伺ったが、
>防腐工業会のデータのみを使用し、表に出ない輸入木材の量については反映されていない。
>木材チップ中へのCCA木材の混入は偏在するため、多いときには30%にも達する報告がなされているのに平均化したデータで話をしても実情に沿わない。
>CCA木材の木製品へ再利用は、問題の先送りと拡散の増大につながり問題が多い。
>焼却の危険性について、多くの研究者が報告している中で、安全だと言っても単なる思い込みにしか思えない。
>すでに、排出量に関する報告は、実態調査を通して推計されたものが報告されており机上の推計を出されても意味がない。
等のお話がでて、森林総研と言う木材利用のトップにある研究所の報告としては如何なものかとの意見も聞かれた。

E新規抽出方法によるCCA廃材の毒性緩和
 住友林業(株)筑波研究所 柿谷 朋
 CCA木材の無害化の方法として、アルカリシュウ酸による溶媒抽出(キレート抽出)プロセスについて講演された。
 その結果、溶液の濃度・pH・反応温度等をコントロールすることで、抽出効率を最大にすることが可能になるとのことであった。
  更に、環境に配慮した資源循環プロセスを設計するために抽出した液相から金属とキレート剤を回収し、再循環するプロセスを検討しているとのことであった。

F砒素により汚染された水環境の浄化
 オルレアン国立科学研究所(フランス) 古屋仲秀樹
 砒素における水環境汚染は、バングラディシュ・ベンガル・西インド・中国等、世界的に広がりを見せており、世界的に問題となっている。この砒素に汚染された水を浄化する技術について講演された。
  水素化したメソポーラスマンガン酸化物を使用することによって、砒素に汚染された水から砒素錯体を除去することが可能であるとの報告がされ、更に有効性の向上と、実際の水処理システムへの適用方法について検討を行うとの報告がされた。



 

 平成14年から山形大学宍戸研究室と宍戸先生を中心に共同研究を行ってきた廃木材リサイクル技術の研究は6年の歳月を経る事に成りました。この間、研究の部分的成果は各種学会発表してきましたが今回、大竹哲也技官が一連の研究成果を博士号取得論文として取りまとめ博士号を取得しました。
 
 宍戸研究室廃により木材の利用について化学的立場からの考察が行われたことによって、今後、地域に散在する木質バイオマス資源をマテリアル、及びサーマル資源として高度利用するための一翼となる基礎技術が出来上がりました。

   
 

1章 緒 論1
1.1 本研究の背景 1
 1.2 本研究の目的 2
 1.3 本論文の概要 3
2章 廃木材の利活用状況調査と既往の研究
 2.1 緒 言 5
 2.2 木質バイオマスの利活用状況と問題点 5
  2.2.1 木質バイオマス供給量と建築廃木材における利活用状況 5
  2.2.2 化学薬品で処理された防腐処理木材 7
 2.3 CCA処理木材を対象とした既往の研究 9
 2.4 木質バイオマス炭化物の利用に関する既往の研究 11
 2.5 結 言 12
3章 針葉樹木炭と廃棄物由来バインダーによる燃料用成型木炭の開発 13
 3.1 緒 言 13
 3.2 建築廃木材からの成型木炭の調製と燃焼特性評価 14
  3.2.1 成型炭の調製 14
  3.2.2 成型加工による木炭の燃焼特性変化 15
  3.2.3 調製した成型木炭と市販木炭の燃焼特性の比較    17
 3.3 廃糖液の成型木炭バインダーとしての効果と諸特性におよぼす影響 19
  3.3.1 糖分含有廃棄物 19
  3.3.2 試料の調製 19
  3.3.3 バインダーが成型木炭曲げ強度におよぼす影響 20
  3.3.4 バインダーが成型木炭燃焼特性におよぼす影響 22
  3.3.5 バインダーの焼結条件が成型木炭燃焼特性におよぼす影響 24
 3.4 結 言 27
4章 木炭への親水性高分子担持処理による高性能調湿材の開発 28
 4.1 緒 言 28
 4.2 木炭の吸放湿特性 29
  4.2.1 木炭試料 29
  4.2.2 実験装置および方法 31
  4.2.3 実験結果および考察 32
 4.3 親水性高分子被覆木炭の吸放湿特性 33
  4.3.1 親水性高分子被覆木炭の調製 33
  4.3.2 親水性高分子被覆木炭の調湿能力 35
  4.3.3 親水性高分子担持担体として木炭が吸放湿特性に与える影響 36
  4.3.4 親水性高分子被覆木炭の吸放湿メカニズム 38
 4.4 結 言 39
5章 重金属を含有した木材からの炭素担持金属触媒の調製 40
 5.1 緒 言 40
 5.2 CCA処理木材炭化物の触媒活性の検討 41
  5.2.1 CCA処理木材の炭化処理 41
  5.2.2 メタノール分解反応における触媒活性試験 42
 5.3 木材を原料とした炭素担持酸化銅触媒の調製 43
5.3.1 試料の調製 43
5.3.2 銅担持木材炭化物の銅の担持形態 44
  5.3.3 触媒活性試験結果および考察 45
 5.4 メタノール水蒸気改質反応における銅担持木材炭化物の触媒活性 47
 5.5 CCA処理木材を原料とした炭素担持金属触媒の調製とその触媒活性 48
 5.6 結 言 50

(右上へつづく)


  6章 CCA処理木材炭化物の二酸化炭素ガス化反応特性 51
 6.1 緒 言 51
 6.2 実 験 52
  6.2.1 試 料 52
  6.2.2 炭化物の調製 52
  6.2.3 ガス化装置 52
  6.2.4 実験方法 53
 6.3 実験結果 53
 6.3.1 炭化物調製結果 53
 6.3.2 ガス化反応実験結果 56
6.4 CCA処理木材炭化物のガス化メカニズム 59
 6.5 CCA処理木材の炭化・ガス化処理における銅、クロム、砒素の挙動 61
 6.6 結 言 62
 
7章 木質バイオマスを高濃度金属廃液の吸収・還元剤に用いた金属成分回収 63
 7.1 緒 言 63
 7.2 プリント基板エッチング廃液を想定した金属回収実験 64
  7.2.1 試料の調製 64
  7.2.2 実験方法 64
 7.3 実験結果および考察 64
  7.3.1 木材への塩化銅の担持形態の確認 64
  7.3.2 高濃度の金属が木炭のガス化挙動におよぼす影響 67
 7.4 回収した銅粒子の性状および収支 70
 7.5 結 言 71
8章 木質バイオマス循環システムの構築 73
 8.1 緒 言 73
 8.2 炭化による木質バイオマス利活用システムの構築 73
 8.3 木質バイオマス炭化物の化石資源代替品としての利活用 74
 8.4 木質バイオマス循環システムの構築 76
 8.5 結 言 77
9章 総 括 78
 9.1 本論文の結論 78
 9.2 今後の課題 79
Literature cited
研究成果の公表
謝 辞


1.論 文

(1) 全著者名 大竹哲也, 宍戸昌広, 安藤則男, 小林正男
  論 文 名 ポリエチレングリコールで表面を被覆した木炭の吸放湿特性
  発表年月 2003年7月
  発表機関 化学工学論文集, 29巻, 4号, pp.483-487

(2) 全著者名 大竹哲也, 宍戸昌広, 安藤則男, 小林正男
  論 文 名 薬剤処理された木質廃棄物からの触媒調製
  発表年月 2005年7月
  発表機関 廃棄物学会論文誌, 16巻, 4号, pp.266-271

(3) 全著者名 大竹哲也、宍戸昌広
  論 文 名 廃CCA処理木材由来炭化物の二酸化炭素ガス化反応特性
  発表年月 2008年3月
  発表機関 化学工学論文集,34巻, 2号,pp.277-281

(4) 全著者名 大竹哲也、太田嶺、宍戸昌広、安藤則男
  論 文 名 建築廃木材炭化物による成型木炭の調製とその特性評価
  発表年月 投稿中
  発表機関 廃棄物学会論文誌

2.解 説

(1) 全著者名 大竹哲也、宍戸昌広
  題  名 木質廃棄物による金属含有廃液からの金属成分回収とその応用
  発表年月 2008年7月
  発表機関 ケミカルエンジニヤリング,53巻,7号,pp.511-516

(右上へつづく)

 

3.特 許

(1) 発明の名称 調湿材料
  発明者 安藤則男、小林正男、宍戸昌広、大竹哲也
  出願年月 2003年1月
  登録番号 3981022

(2) 発明の名称 燃料用成型木炭の製造方法
  発明者 安藤則男、宍戸昌広、大竹哲也、安島稔、林正樹
  出願年月 2005年4月
  登録番号 4130826

(3) 発明の名称 燃料用成型木炭の製造方法
  発明者 安藤則男、井川達也、宍戸昌広、大竹哲也、安島稔
  出願年月 2006年6月
  登録番号 特願2006-165814




活動内容 廃木材リサイクルとCCA処理木材 クロム・銅・ヒ素化合物系木材防腐剤(CCA)処理木材
CCA防腐処理木材の使用規制と利用基準策定の動き 保存処理木材のインパクト国際シンポジウム開催
廃木材リサイクル研究会の平成15年度活動報告 廃木材リサイクル研究会の平成16年度活動報告
廃木材リサイクル研究会の平成17年度活動